自閉症の子が一人で登下校するためには

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通行人
この記事で紹介している内容
  • 自閉症の子が一人で外を歩く前に確認しておくべきこと
  • 一人で行動するのが難しいケースについて
チャタロー
チャタロー

こんにちは、チャタローです。
家の息子は自閉症で、小学校までは私が学校まで送迎していましたが、中学生になり学校が近くなったので、一人で歩くときのマナーや注意点をしっかり教えて、一人で登下校デビューできました。今日は息子に教えたことや、気を付けるべき事をお話します。

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交通ルールの理解

横断歩道、信号のルール

赤信号

一番大事なのが、横断歩道、信号のルールをきちんとわかっているかどうかです。
これが出来ていないと絶対に一人歩きは危険です。

  • 信号を守る。赤信号、青信号、矢印信号の意味をきちんと理解しているか。
  • 青になっても、急に飛び出さず、右左しっかり確認して渡る
    信号無視するマナーの悪い車、強引に曲がってくる車も結構います。そういう車はやり過ごしてから渡る。
  • 信号が無いところも、しっかり右左を確認してから渡る
    (なるべくそうゆうルートは通らせないようにコースを考えることも必要)
交差点

歩道の通行ルール、歩行時のマナー

歩道の通行ルールは、結構周りの人も曖昧になりがち。
臨機応変な対応が求められることがあります。信号のルールより教えるのが大変でした。

迷惑自転車
  • 歩道を歩くときは右側に寄って歩く障害物をよけるために左に寄ったり、立ち止まる場合は必ず後ろを確認してから。
    (後ろから自転車や人が来ている時に急に進路を変えると危ないため)
  • 向かい側から歩いてくる人が自分と同じ側から歩いてきていて、譲ってくれなそうな場合は、進路を譲ってあげる。
  • 前を歩いている人と1メートル以上距離をあけて歩く。近づきすぎると相手は不快に思う。
  • 前の人を追い越したい場合は、相手にぶつからないように横を通らせてもらう。止むを得ず歩道を降りて車道の端を通る場合は車に十分注意する
  • 友達同士で歩いている人たちの真ん中を割って入るようなことはしない。
    (本当は道に広がって歩いている人も悪いのですが、あまり難しいことを言うと自閉症の子は訳が分からなくなるので、簡潔なルールにしています)
  • 走らない。人にぶつかったり、雨の日などは水たまりを踏んで、周りの人に泥水がかかってしまうこともあるため。
  • 交通安全運動の人や同級生に挨拶されたら、無視せずちゃんと挨拶する。
  • 一人で歩いてる時に独り言を言ったり、変な声を出さない。周りの人がビックリして気持ち悪く思うので。

前の人を追い越す時、本当は「すいません、通してください」と言って進路をあけてもらうのが正しいのかもしれませんが、言い方によってはトラブルになるかもしれないので、息子には極力追い越せる場所までは我慢してもらうように教えています。

交通安全のおじさん

天候による注意事項

天候が悪い時のパターンもしっかり学習しないといけません。あまりに天気が悪いときは無理させず、送迎したり、安全が確認できるまで見守りましょう。

雨の日

傘をさす学生
  • 傘をさしている時に、人や駐車している車にぶつからないよう注意する
  • 傘を開いたり、閉じたりするときは、周りに人がいないことを確認する。
  • 傘を持ち運ぶときは振り回さない。
  • 車から水をはねられない様に車道側と距離をとる。
    (自閉症の子は感覚過敏の子も多いので、一滴水がはねただけでも着替えたがる子もいる。
    心配な場合はカッパを着せたり、着替えを持たすなどすると安心)
  • スニーカーの時は水たまりに入らないよう気を付ける。人の横を通る時に水をはねてしまわないよう気を付ける。
水をはねる

風が強い日

風
  • 帽子をかぶっている場合は飛ばされないように気を付ける。
    もし遠くに帽子が飛ばされたら追いかけない。帽子を追いかけることに夢中で車道に飛び出して事故につながるため。

雪が積もり始めたら

積雪
実際の積雪。
  • 除雪の雪が壁になって、ドライバーから歩行者が見えにくくなるので、道路を渡る時はさらに注意が必要。

公共交通機関を使う場合

順番を待つ
  • 切符の買い方、ICカードの使い方、チャージ方法などしっかり教える。
    難しい場合はICカードの残高を常にチェックして、チャージしておくところまでは助ける。
  • 並んでいる場合は順番を守る、割り込まない。降りる人を待ってから乗る。
  • 大声や奇声を出さない。
電車内

交通ルールや公共マナーがある程度理解できていて、一人でバスや電車で学校や通所先に行けたとしても、周りから見て挙動不審だったり、心配されるような行動がある場合には、一人で乗るのは心配かなと思います。急な混雑でパニックを起こす可能性がある場合も無理は禁物です。

どうしても一人で行動してもらわないと行けない場合は、ヘルプマークなどを着用するなど、周りに障がいがあることを理解してもらうよう、対策したほうがいいと思います。

一人で大丈夫?と心配になった出来事

急な大声をあげ出した人

10年以上前の話です。地下鉄に乗っていると、一人の男性が乗ってきました。

その人の独特な表情や挙動から何か障がいのある方なのはすぐわかりました。
その人は席に座るやいなや、急に耳がおかしくなるくらいの大声を発し始めたのです。
パニックを起こしてとかではなく、いつも出している声が大きいのだと思います。
自閉症などで、常に何か音や声を出している人は結構いるので珍しくはないのですが、その人の声は異常なほど大きかったです。

大声で叫ぶ

同じ車両に乗っていたお客さん達が、恐怖の顔で彼を見ながら、あっという間に隣の車両に走って逃げていきました。私は自分の妹も同じ障がい者だからという妙な正義感が働き、彼から逃げ出すことはしないでいました。

その人は一駅で降りたので、大きな騒ぎにはなりませんでしたが、もし誰かが事件だと思って、電車の緊急停車ボタンなど押していたら大変なことになっていました。正直彼が一人で歩くのはどうなんだろうと感じました。きっと何か事情があって一人で行動しないといけないのかもしれませんが、家族なり、介助の人なりが同伴して、周りの人へ配慮した方が…と思いました。

知らない相手に奇妙な行動をする人

地下鉄ではもう一個こんなことがありました。

私がまだ短大生だった頃、一人の男性がニコニコしなから急に「こんにちは」と元気に声をかけてきました。話し方や挙動から障がいがある方なのはわかりました。
車内は静まり返っていたので、他のお客さんの目線が一気にこっちに集まりました。

とりあえず普通に「こんにちは」と返すと、急に「ねえ、銀歯見せて!」と口に指を入れてきそうになったんです。さすがに対応に困ったので、ごめんなさい!と謝って、その車両から逃げてしまいました。

銀歯

今のおばさんの私ならもっと気の利いた対応が出来たのかもしれません。
当時はまだ若かったので、どうしたらいいかわからず、ただ周りの目線が怖かったのです。
彼は決して痴漢とか変質者のようなつもりではなく、純粋な興味の対象が銀歯だったんだと思います。

この方も一人で電車に乗って行動できてはいるのでしょうが、話しかける相手によっては通報されたり、暴力を振るわれたりなんてこともあったかもしれません。可能なら誰かが側についてあげた方が…と思った出来事でした。

このように一人で電車に乗って目的地に行くことができる場合でも、周りの人に迷惑をかけたりトラブルになりそうな場合は、同伴者によるフォローが必要かなと思います。

自立させることはもちろん大事ですが、何とかなるさ、きっと障がい者ってわかってくれるよね、で楽観視しすぎるのは危険です。

家の息子の場合

学校

家の息子は、中学校が近いので徒歩で学校に通っています。

交通ルールは理解できているので、車とのトラブルはほぼ心配ないですが、歩道を走ってくる自転車とぶつからないか心配なのと、前を歩いている人を無理やりよけたり、ぶつかったりしないか、苦手なカラスが来た時にパニックにならないか、心配は多少あります。

息子は無意識に唸るような声を出したり、独り言を言ってしまうクセ、気になる景色があると何度も振り向くクセがあるので、一人で歩いている時には周りの人がビックリするので、気を付けるよう伝えています。

交通量の多い朝は安全が確認できるところまでは見守っています。
帰りは天候が悪いとき以外は一人で帰ってきていますが、今のところ大きな問題は起きていません。

歩く後ろ姿

息子が一人で下校するようになるまで、春夏秋冬、すべての天候において、一人で歩いても問題がないか、気を付ける事はないか、一緒に歩いて、納得いくまで検証して今に至ります。

放課後デイサービスを利用していた時や、私が送迎していたころは、学校が早く終わっても待たないといけなかったり、自分のペースで帰ることができなかった息子でしたが、今は自分の自由に帰ることができるようになって、本当に嬉しそうです。

朝もかなりの悪天候などで心配な時は、私が学校の近くまでついていくのですが、ついてこられるのが嫌なのか、早歩きで距離をとられてしまうようになりました。

まとめ

自閉症のお子さんを一人で登下校デビューさせる時には、まずは一緒に通学路を何度も歩いて、わが子にとって気を付ける事は何か細かく確認し、注意することがあればその都度教えてあげると、本人にもわかりやすいと思います。

一人で歩けるようになった後も、時々チェックするのと褒めてあげる事も忘れずに。今回このブログに書いた内容がチェックリストのように皆さんの参考になれば嬉しいです。

チャタロー
チャタロー

過保護と思われるかもしれませんが、私は誰になんと言われようと、命に関わることだけは過保護なくらいで丁度いいと思っています。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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