障がい者支援施設での暮らし(前編)

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施設
この記事で紹介している内容
  • 障がい者支援施設での暮らしの様子
    うちの自閉症の妹の施設での暮らしの様子をお伝えします。施設によって内容は様々ですので、たくさんある施設の一部の話ということで参考にしてください。
  • 施設の概要、利用料、日々どんなことをしているのかを紹介。
チャタロー
チャタロー

こんにちは、チャタローです。今日は妹の施設での暮らしの様子をお話します。
将来入所を考えている方に、少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。

↓私の自閉症の家族についての詳しい紹介はこちらの記事をご覧ください

私の妹と息子について

※文中で使われている画像はすべてイメージです。施設とは一切関係ありません。

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施設の概要

食堂

施設の部屋、設備

  • 女子寮、男子寮と別れていて、各寮に個室と2人部屋、多目的スペース、共同利用の洗面所、トイレがある。利用者の状況によって個室か2人部屋か判断される。男女合わせて50人くらいの利用者が生活中。
  • 利用者の部屋にはベッド(布団は別途必要)、棚、クローゼット、ベッド下の収納がある。
  • 寮の出入り口の扉は施錠されていて、利用者も外部から来た人も許可なく出入り不可。外の玄関もオートロックで、アイホン設置。
  • 利用者の個室は基本無施錠なので、寮内であれば自由に出入りして部屋で過ごしたり、多目的スペースで他の利用者と一緒に過ごしたりできる。
  • 浴室、洗濯室などは男女共有。使える時間帯や曜日は男女別で分かれている。
  • 食堂、体育館、多目的ホール、作業ルーム、カラオケルームなどがある。食事やイベントの時は男女混合で活動。

支えてくれる職員の皆さん

<strong>生活支援員</strong>
生活支援員

生活支援員入所者には生活支援員から担当者が必ず一人つきます
女性には女性、男性には男性の担当者がつきます。担当者が中心となって、
その方に最適の生活目標を立て、目標達成のために日々入所者に寄り添って

サポートします。交代制で24時間駐在。

<strong>看護師</strong>
看護師

看護師→保健室のような役割の他、入所者の投薬の管理をしています。
通院が必要な入所者は看護師の指示の元、担当者が病院に連れて行きます。

<strong>栄養士</strong>
栄養士

栄養士入所者の朝昼夕の食事すべて栄養バランスを考えて提供します。

<strong>事務員</strong>
事務員

事務員→入所者の金銭の管理、事務手続きの管理をします。

入所する時の準備、費用

カバンの中

入所する時に持って行ったもの

品名備考
布団一式敷布団、掛布団、毛布、枕、シーツ。失禁の心配がある場合は防水シーツも必要
衣服など夏服冬服すべて。下着類、パジャマ。コートや薄手の上着なども必要。履きやすい外靴(夏用、冬用)、長靴、スリッパ(施設内用)、お出かけ用のリュックやショルダーバッグ、帽子、手袋など。
洗面、入浴道具一式歯ブラシセット、フェイスタオル、バスタオル。シャンプーやボディソープなどは施設にあるが、本人にこだわりがあればそれを持ち込むことも可能。洗顔フォームや化粧水、化粧品も本人が使いたければ持ってきてOK。
生理用品最初はある程度持ち込んで、なくなったら本人の貯金より購入。
薬、療育手帳などの手帳類、年金を受給している通帳飲んでいる薬がある場合は持参。なくなったあとは、特に希望がなければ施設指定の病院に通院し薬を処方してもらう。療育手帳、通帳は施設預かりとなる。
好きな物妹の場合MDラジカセ、MDセット、ヘッドホンを持っていきました。生活に支障のないもの、周りに迷惑かけないものならある程度持ち込み可。ゲーム機など中毒性のあるものは自由時間以外は職員室預かりになることも。

持って行ったものが消耗したり傷んだ場合、本人の貯金より職員に代理で購入していただくか、家族や本人にこだわりがあれば、家族が買って持っていくことも可能。

月々かかる費用

通帳

入所後の本人の通帳は施設預かりとなり、出金の必要がある場合、厳重な監査の元通帳から引き落としされる。

  • 施設利用料は通帳から引き落とし。二か月に一回くらい請求書と通帳の記録やお金の使用用途などを保護者に郵送で送ってくれる。
  • 通院などで費用が発生した場合もこちらから引き落とし。
  • 本人が個人的に必要なものは、こづかい名目で必要に応じて出金され、本人もしくは担当者に購入してもらう(自販機でジュース購入、お菓子購入、生理用品、おむつ、お尻ふきなど)。

入所した施設が市外である場合、入所先の自治体独自の保障(交通費減免や給付金など)が受けられなかったり、面倒な手続きが発生する場合があるので、入所後の本人の住民票の住所を施設の住所に移した方が便利。

チャタロー
チャタロー

ちなみに家の妹は市外の施設に入ったため、施設からこの事↑を知らせていただいて、妹の住所を施設に移しました。

施設利用料の内訳

請求書

妹の施設の場合、朝昼夕の食事代と光熱水費を、施設を利用した日額分まとめたものから、国や市から出ている特別給付が引かれたものが利用料として請求され、毎月預けている通帳から引き落とし。

ある月の施設利用料の請求書例

朝食480円×31日=14,880円
昼食585円×30日=17,550円
夕食585円×31日=18,135円
光熱水費350円×31日=10,850円

合計61,415円

特別給付金5,766円を引いて、施設利用料は55649円

※昼食代が一日分ないのは、おそらくこの月に妹の誕生会があって別で食事をしたため。

施設利用料の他には親の会費用2,000円、ティータイムに毎日施設から出るおやつ代500円、入所者が共通で使う日用品などの諸費が3,000円、施設利用料と合わせると、この月に本人の通帳から引き落としされた額は61,149円。本人の年金で賄える金額なので、よほどのことがない限り、家族がお金を送金する必要はなし。施設によって料金形態は様々。

入所する時の初期費用はかかるの?

考える女

妹の施設の場合、初期費用はなし。施設によっては入学金のようにある程度の初期費用がかかる施設もあるので、契約時には契約書類に最初から最後までしっかり目を通して、入所する家族が安心して暮らせるよう、しっかり確認を。

施設での暮らし

ダンス

一日の流れ

食事の時間、起床、就寝以外の時間は、その日の活動や行事によって違うので、詳細な時間割は決まっていない。何も行事がない日は、利用者のペースに合わせて運動や、工作や裁縫などの作業を行ったり、自分の洗濯や居室の簡単な清掃、入浴の日であれば入浴、すべて終えたら自由時間を過ごすという流れです。

おおまかなタイムスケジュール
  • 6:00~7:00頃 起床、洗顔、歯磨き、着替えなど
  • 7:45~ 朝食
  • 12:00~ 昼食
  • 18:00~ 夕食
  • 21:00~ 就寝

食生活

食事

朝、昼、夕、栄養士さんによる栄養バランスのよい食事が提供される。一食につき、400円~600円程度。その年の材料の値段により変動。一人で食事ができない方には担当者がついて食べる介助。もちろん無理強いなどせず、様子をみながら介助。

チャタロー
チャタロー

余談ですが、妹はこの食事のおかげで70㎏オーバーだった体重が20年の間に50㎏台前半になりました!身長168㎝なのでかなりスマートになりました!

妹はヘルニア持ちなので、運動は本人に合わせたストレッチや軽いウォーキング程度です。バランスの良い食事の大事さが妹から伝わりました。入所前の妹は冷蔵庫荒らし放題でしたから(笑)

時折、「世界の食事」と題して外国のメニューを体験させてくれたり、利用者からのリクエストメニューを実現してくれたり、変わったメニューの提供で利用者を楽しませてくれる。

身の周りの事

洗顔、歯磨き、着替え

歯磨き

基本的に自分で出来る事はすべて自分で。出来ないことは出来るようになるよう、担当者が介助しながら指導。

入浴

シャワー

週に2回以上、本人の希望や身体の状況に合わせて入浴やシャワー、清拭。なるべく本人が一人でできるよう、様子をみながら介助。

排泄

トイレ

トイレでの排泄、排泄後の処理をできるだけ一人で出来るよう、担当者が声掛けしながら、出来ないことは補助してくれるスタイル。女性の場合生理の処理なども介助しながら指導。なるべく本人がやりやすい方法を考えて、排泄の自立を目指す。

妹の場合の介助例
  • 顔を綺麗に洗えない
    →まずは濡らしたタオルを絞って、顔を拭く練習→できるようになったので手で水をすくいながら顔にかけて洗う練習
  • 歯磨きが雑になりがち、同じ場所しか磨けない
    →細かい部分がうまく磨けないので、担当者さんに見本を見せてもらいながら練習
  • 常にタンスの上にある服ばかり着てしまう、脱いだら脱ぎっぱなし
    →その日の気温や天気に応じて着替える服を選ぶ、脱いだパジャマを畳む練習
  • 排泄後の処理が不十分
    →トイレットペーパーでの拭き方を指導してもなかなか改善が難しかったため、おしりふきを利用し、綺麗に拭く練習
  • 生理の処理が不十分
    →ナプキンが一杯に汚れてもそのままでいたりするので、交換の基準、方法を本人にわかりやすく伝え、一人でできるよう練習

散髪

散髪

本人や保護者にこだわりがなければ、定期的に来所してくださる理容ボランティアさんに無料で散髪してもらえる。ありがたいです。

イベント、余暇活動など

コロナ流行以降、お楽しみ行事は大幅に縮小、中止。今年は規制も緩和され、少しずつ行事が復活することを期待。

これまでにあったイベント(保護者も参加可能)
  • お祭り
    学園祭のように出店が出たり、利用者が作った作品などの販売、展示。
  • 運動会
    利用者全員が無理なく参加できるような競技を開催。競技後はお弁当や飲み物、お菓子などが配られる。
  • 一泊旅行
    観光バスで少し遠方に出かけてホテルに一泊する旅行。保護者も旅行費を払って参加可能。
  • クリスマス会
    ケーキやチキン、お寿司などのごちそう、利用者にはサンタさんからプレゼントも配られる、最も楽しみとされている熱いイベント。利用者や職員の歌やダンスのステージも見れる。保護者も参加費を払って参加可能。
  • もちつき大会
    皆で餅をついて、最後にはついたお餅で参加者皆であんころ餅を作ったり、栄養士さんが力うどんを作ってくれたり、一年を締めくくる行事。つきたてのお餅はとてもおいしい♪
パーティ
利用者のみのイベント
  • 担当者と二人で外出
    月1回くらい。本人の希望、趣味に添って外食やドライブ、日帰り温泉など。
  • 遠足
    施設のマイクロバスで道の駅や観光地などへ皆でおでかけ。
  • お誕生会
    毎月開催。その月に生まれた人たちのみが集められて祝ってもらえる。特別な食事をして、誕生日プレゼントがもらえる。
  • カラオケ大会
    歌の大好きな利用者が集って、楽しいひと時を過ごす。

薬、通院が必要な場合

病院

通院が必要な場合

受診の必要がある場合は、担当者同伴で施設の協力医療機関を受診。
薬が処方された場合は看護師がしっかり投薬管理。

入所前からかかりつけの病院があって、引き続きそこに通院したい場合は、
入所者を帰省させて保護者が病院に連れて行く。投薬の引継ぎなどを看護師にしなくてはならない。

予防接種は?

インフルエンザワクチン、コロナワクチンなどは任意接種となっており、接種するかどうか連絡がきて、保護者が決める。受ける場合は施設に医師が来て接種。接種費用がかかる場合は本人の通帳から引き落とし。

もしも入院になったら…

入院することになった場合、入院期間によっては施設を退所となる。

妹の施設の場合
  • 一週間以内に退院
    部屋は確保されたままになる。退院後、施設にすぐ戻ることが出来る。
  • 三か月以内に退院
    入院期間中に他の短期入所者に部屋を割り当てる可能性はあるが、
    優先的に戻れるよう配慮される。
  • 三か月を超える入院の場合
    契約解除となり、施設を退所することになる。再入所を希望しても優先扱いにはならず、
    空きが無ければ順番待ちすることに。

帰省する場合

事前に施設に電話予約して、迎えに行くことで帰省可能。ただし頻繁に帰省すると本人の生活パターンが乱れたりしやすいので、長期の帰省は盆と正月一泊二日の帰省は月に1,2回程度

現在はコロナ禍で、帰省に関する規制が厳しめ。帰省から施設に戻る時には抗原検査が必要。

家族

帰省時に気を付けること

  • 担当者へ引継ぎ事項などないかしっかり確認。
  • 女性の場合、生理になっているか、なっているなら何日目くらいかなども担当者に聞いておくと家で介助する際に準備しやすい。生理用品が家にない場合は施設から必要な分持ち帰る。
  • 家に本人の衣服がない場合、施設から帰省日時分の着替えを持ち帰る。施設で着る服が減らないよう、洗濯に出した服などは帰省までに洗って持たせるのがベスト。
  • 本人がお気に入りの物などは必ず持って帰省。せっかく帰省してもそれがないことで不穏になって、せっかくの再会の喜びが台無しに。
  • 帰省すると、本人も家族も嬉しくてついつい好きなものばかり食べさせ過ぎたり、寝るのが遅くなってしまったりしがち。せっかく施設で規則正しい生活をしているので、生活を乱しすぎないように注意。
  • 施設に戻る日時は、約束より早すぎず遅すぎず守る。食事の用意や職員のシフトの都合もあるので、急な変更はご迷惑に。どうしても日時変更する場合は事前に相談を。
チャタロー
チャタロー

今回は妹が住んでいる障がい者支援施設の中身や暮らしについてお話しました。施設によって設備や仕組み、活動は様々ですが、家族が入所した時の暮らしのイメージとして参考にしてください。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

後編では、施設で過ごす上での問題点や、妹が入所するまでのお話を書いています。
良かったらこちらもご覧ください。↓
障がい者支援施設での暮らし(後編)

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