聴覚過敏って何?
こんにちは、チャタローです。今日は聴覚過敏のことについてお話します。
聴覚過敏とは、簡単に言うと、周りの人には何でもないと感じる音が、異常な雑音や、気持ちの悪い音に聞こえてしまう症状です。
僕は運動会のピストルの音や、お皿にフォークがこすれる音は嫌いです。これも聴覚過敏ですか?
確かにみんな苦手な音ってありますよね。でも、それは聴覚過敏とはちょっと違います。
聴覚過敏の場合、その音があることで、精神に支障をきたしたり、その場で平穏に過ごすことが出来ないほどの状態になってしまいます。
症状がひどい場合、その音が起こる前から不安になり、その音源となる場所や人を拒むようになることもあり、無理をしてしまうと別な精神障がいさえも起こしかねません。
自閉症の子の聴覚過敏
では実際、うちの息子の聴覚過敏の例をいくつか挙げます。
❶掃除機
掃除機の音が苦手で、掃除機をかける時には、出来るだけ遠い部屋かベランダへ逃げていきます。
❷エアータオル
トイレにある、洗った手を乾かすためのアレですね。最近のお出かけ先のトイレには設置している所がほとんどです。自分が使うのはもちろん嫌で、他の人がいつそれを使うかもわからないので、公衆トイレ自体が大の苦手です。そのため外出した時は極限までトイレを我慢してしまうので困りものです。
❸公共交通機関のドアのブザー
公共の交通機関のドア開閉のブザーが苦手です。音の質が苦手というより、予想していないタイミングでその音が鳴ることにおびえているように見えます。
例えばバスであれば、一度ドアが閉まって発車するかと思いきや、後ろから乗りまーすって走ってきた人に気づいて、運転手さんが気を利かせてまた開けるなんてことがあります。何でもない日常の一幕が息子にとってはストレスになってしまうのです。
そのため車の免許を持っていない私が息子と遠くへ行くためには、毎回タクシーになってしまうのです。節約のため片道5㎞くらいの道のりなら徒歩で行くこともよくあります。健康にはいいかもですが…(笑)
❹炊飯器の蒸気の吹き出す音
我が家の炊飯器は圧力IHの炊飯器なのですが、ある時間になると蒸気がシュコー!!と吹き出します。この音も苦手で、息子はご飯の炊飯が始まる10分前から、炊き上がる直前まで、ベランダに出て行ってしまいます。でも炊飯器の炊き上がりのメロディと炊き立てご飯が大好きなので、必ず時間までに戻ってきます(笑)
❺小さいお子さんの泣き声
息子が一番苦手な音がコレなんです。この状況に出くわしてしまった場合、もう大変。持ち物を床に叩きつけたり、側にいる父や私に当たり散らしたり、本人自体がキャーと叫びながら、相手に対して悪い言葉を言ってしまったりします。
ただでさえ、小さなお子さんの親御さんは、お子さんが泣くと周りの目を気にして必死にあやしているのに、息子からひどい態度をとられてしまえばショックを受けることでしょう。ましてや相手は息子が自閉症で聴覚過敏があることなんて知りません。そんな時は、何とかごまかしながら早々にその場を撤退するしかありません。今のところトラブルになったことはありませんが、万が一相手の方が気づいた場合には、きちんと事情を説明して謝るつもりです。
なるべく息子がこの状況に遭遇しないよう配慮はしていますが、完全に避けることは、家にずっといる以外不可能です。息子もこのことが良くない事であることは頭ではわかっているのですが、どうにも耐え切れず攻撃的になってしまうようです。
今となってはそれを恐れるがあまりに、小さなお子さんを見つけるだけで、まだ泣いてもいないのに避けたり、悪い言葉を言ってしまうので、トラブルにならないよう、できるだけ距離を取りながら気を付けて見ています。
他にも…
息子以外の方、自閉症などの発達障がいがなくても、聴覚過敏を持っている方は結構いるようです。
よく聞くのは、学校などでみんなが休み時間に何気なく会話している声や、グループで話し合う声がひどい雑音のように聞こえ、その場に居られなくなるほどになり、結果周りと距離を置いて孤立してしまったり、不登校になったりという事です。これも聴覚過敏の一種です。
このように、苦手な音の種類だけで見ると、珍しくもないんじゃない?私も苦手だよ?と思われるかもしれませんが、問題はその音によって本人が日常生活にまで支障をきたすという所です。
聴覚過敏の原因と対策
聴覚過敏って、どうしてなってしまうのですか?
脳の機能や耳の機能、ストレスなども考えられますが、自閉症やADHDなど発達障がいのある方は、聴覚過敏を持ちやすいと言われています。なぜそうなりやすいのかの原因はまだ不明なようです。
病院に行くべき?行くなら何科?
まずは耳鼻科、小さなお子さんの場合は、小児科を受診するのもいいと思います。
精神のストレスや発達障がいが原因の場合には、精神科の病院にかかる方がいいと思いますが、精神科の病院は数か月の予約待ちの所が多いので、早めの予約をおすすめいたします。
病院に行ってみた
そもそも自閉症の子が聴覚過敏になりやすいことを知っていた私は、「これは仕方のないことだ」と思っていたので、病院に相談する選択肢はありませんでした。
きっかけは周りに勧められたから
そもそも病院の受診を決断したのは、市の子供発達センターの職員さんからの勧めでした。当時息子が行っていたデイサービスに、不穏になると甲高い声で叫ぶ子がいました。息子はとても恐れていて、その子と一緒の時は耳をふさいだまま行動するので、勉強や作業に身が入らない状態でした。その子がまだ叫ぶ前から警戒している状態でした。その時の私は、
息子がこの先、色んな障がい者の人々と接する機会が多くなることを考えれば、将来的にこういう場面は避けて通れない、慣れさせないといけない。
と考えていました。しかし、デイサービスでの息子の様子を見学に行った発達センターの職員さんは
こう言われたのです。
息子さんが音への恐怖を克服するより、まずは恐怖を軽減して安心して過ごせることが一番です。
一度病院に対処方法を相談してみてはいかがでしょう?それか他のデイサービスを利用する手段もあります。このままでは息子さんがあまりに可哀そうで…
あまりに熱心に説得されたので、とりあえず病院に相談してみることにしました。うちの息子は自閉症の経過観察のため、かかりつけの精神科クリニックがあるので、そちらで聴覚過敏について相談しました。
医師からのアドバイス
❶イヤーマフの使用による音の軽減
イヤーマフとは、見た目はヘッドホンのような耳当てのことで、音を軽減する役割があります。よく大音量の機械で作業する人がつけているのを見かけます。ほぼ外の音をシャットアウトするような物から、少しの音だけを軽減するものまで多くの種類が販売されています。
❷クールダウンできる場所を用意する
クールダウンできる場所とはつまり、本人がパニックになりそうな時に落ち着けるように、一人になれるような環境のことです。外出中ではなかなか難しいですが、学校やデイサービスなど毎日過ごす場所は、そうゆう環境を作っていただけないか相談してみるといいと思います。いつでも避難できる場所があるというだけで、本人もだいぶ安心できます。
❸薬での治療
私は薬での治療を選択しなかったので詳しくは聞いてませんが、そういう治療法もあるとのことでした。
イヤーマフを使用した結果
というわけで、家の息子にはイヤーマフを使ってみることにしました。正直これで本当に何とかなるのかなあ?と半信半疑だったため、私が購入したのはAmazonで見つけた、比較的安いイヤーマフでした。息子に使ってもらう前に自分で体験してみました。
あれ??外の音全然聞こえる。でも耳が完全に覆われて安心。
甲高い音のキーンとくる感じは抜けて、少しマイルドになってる。
イヤーマフはデイサービスに置いてもらうようにして、必要に応じてつけさせてもらうことにしていました。その結果、息子はイヤーマフをつけて、甲高い声の子がいても普通に過ごせるようになったのです。声が完全にシャットアウトされているわけではないのですが、息子が苦手な部分の音の周波が軽減されたのかもしれません。
いざ苦手な音が来た場合にはイヤーマフがある、という安心感があるのは確かにいいですね!
その後学校に置く用と家用にもイヤーマフを買い足しました。外出する時はなるべくイヤーマフを持ち歩くようにして、人の多い外出先を歩くときや、トイレの利用時、外食時などにつけられるようにしています。
デメリットは?
結構耳にギュッとフィットする仕様なので、窮屈感が嫌な人や、肌が弱い人は苦手かもしれません。
ちなみに息子のデイサービスに一緒に通っている子が、息子のイヤーマフを試着して購入を決めたそうです(笑)
どこで買えるの?
実際に息子が使っているおススメのイヤーマフです。カラーバリエーションも豊富で、コンパクトに持ち運べる仕様。中学生になって大きくなった現在もまだ使えています↓
↓こちらもおススメ。上のものより大きめサイズで、耳当たりがソフト。ちょっと持ち運びには大き目だけど、安心感があります。
イヤホンでの代用は?
イヤーマフを忘れてしまった場合の臨時策として、私のカバンには常にイヤホンを入れています。スマホにイヤホンをつけて好きな音を大きめに聞いてもらい、外の音をシャットアウトする作戦です。
この方法はこちらの声が聞こえにくく、注意力も散漫になります。特に動き回る時には危険なので積極的にはおすすめできません。長時間の使用は聴力への悪影響も心配です。
最後に
以上です。最後まで読んでくださって、ありがとうございました。