言葉の教室で学んだこと

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会話
この記事で紹介している内容
  • 言葉の教室ってどんな事をするのか?言葉を話すために必要な事とは。
  • 言葉の教室を利用してみての感想
チャタロー
チャタロー

こんにちは、チャタローです。今日は3歳まで一語も話せなかった自閉症の息子が話し始めるきっかけになった、「言葉の教室」についてお話していこうと思います。

うちの子言葉が遅れていて心配だな~って感じているご家族の参考になれば嬉しいです。

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言葉の教室って何?どんな所?

保育園

言葉の教室とは

「言葉の教室」とは、私の住んでいる市の「子供発達センター」が運営している、言葉の発達など発育に遅れのあるお子さんのための支援教室のような所です。お住いの都道府県にも同じような機関はあると思います。息子の行っていた言葉の教室は小学校の中にあって、通級教室の役割も果たしていました。

子供発達センターは、発達に遅れや悩みがあるお子さんの相談支援をする市の機関で、保健センター、市役所、各関係機関と連携しています。言葉の教室のような市内の発達支援サービスを利用するには、事前にサービスを利用するための受給者証を発行してもらう必要があります。相談支援や療育を受けるには料金がかかるため、料金の一部を市に負担してもらうためです

※サービス利用に必要な手続きは都道府県によって異なる可能性があるので、詳しくはお住いの地域の市役所などにお問い合わせください。

サービス利用までの大まかな流れ

  1. 保健センター
    乳児期に定期健診や健康相談を行い、発達に遅れがある場合に保護者の同意を得たうえで、子供発達センターに連絡。
  2. 子供発達センター
    保護者から児童の様子をヒアリングし、問題解決のための目標を設定した「サービス利用計画案」を作成、市役所に提出。
  3. 市役所
    保護者からサービス利用申し込み書や、サービス利用にかかる費用を市で一部負担するための申請書を提出してもらう。発達センターから計画案を受け取り次第、通所サービス利用のための受給者証を発行。

    これで市内の通所サービス、発達支援サービスを利用可能になり、利用希望の支援サービス事業者と契約をすることが出来ます。私の市では支援にかかる費用の自己負担額は世帯の所得により上限が決まっていました。上限を超えた分は市が負担してくれる仕組みです。ちなみに我が家は世帯年収300万円前後で月4600円が上限

息子が言葉の教室を利用したきっかけ

↓うちの息子の障がいの程度とこれまでの経緯についての詳しい紹介はこちらの記事をご覧ください

私の妹と息子について

上の紹介記事にも書いたのですが、息子はそもそも出生時より身長が平均より小さかったため、毎月保健センターに通い身体測定や健康相談をしてもらっていました。1歳頃に少し言葉が遅いのかもねーと保健師さんから言われていました。

1歳6か月検診で医師に相談したところ、もう少し様子を見たいので2歳検診にも来るように言われました。結果、2歳検診でも大きな進捗は見られず、最初に紹介されたのは、保健センター内で行っている発達に悩みや遅れがあるお子さんとお母さん達のクラブでした。

読み聞かせ

そのクラブは保健師さんや心理士さんが先生となって、子供たちとリズム遊びをしたり、絵本を読んだりしながら、子供の様子を見てお母さん達にアドバイスをしてくれるような所でした。ただ息子ほど障がいの重たい子はほとんどおらず、息子もそこの空気やリズム遊びには全く順応できず、泣いたり、部屋を抜け出したりしていました。

何となく疎外感を感じた私は、心理士さんに本音を打ち明けると、「もしお母さんが希望するなら、もっと重たい障がいのあるお子さんが通う場所もあるよ」と教えられたのが、言葉の教室でした。

それから色々手続きを経て、息子が3歳の頃に言葉の教室に通い始めました
当時の息子はまだ自分の名前も言えないし、ママ、パパなどの簡単な単語さえ話せない状態でした。赤ちゃんのような喃語と、数字が大好きだったので数字のカウントをしているような声は出ていましたが、はっきり聞き取れるような言葉ではありませんでした。

言葉の教室の一日

毎週一回、決まった曜日に通っていました。息子の他にも数人、言葉の発達が遅れている同い年前後の子がいて、保健センターで参加していたクラブよりは温度差を感じずに参加できました。保育士や社会福祉士、言語聴覚士の資格を持つ職員さんが先生となって、子供たちと遊んでくれます。

朝の会
先生を囲んで椅子を並べて座って、名前を呼ばれてのお返事、歌、手遊びなどします。

集団遊び
集団遊びは家庭では出来ないような、感覚を大いに刺激するダイナミックな遊びが多かったです。
子供たちは大喜びでした。

ボールプール
集団遊びの一例
  • サーキット
    跳び箱や平均台、トランポリン、滑り台、巨大なボールプールなど並んだアスレチックを順番にかけ回る。前の子を追い越さないように順番を守ること、逆に後ろの子にお先にどうぞと譲ることを学ぶきっかけにも。
  • あずき遊び
    大量のあずきを手ですくったり、頭からかけたり感覚を楽しむ。ペットボトルに入れてマスカラのような音を楽しむことも。
  • 新聞ちぎり
    新聞を好きなだけビリビリして、空中に舞い上げたり、部屋中新聞だらけの海になる。
  • スライム作り
    ドロドロ、ねばねば、こねたり、丸めたり、感触を楽しむ。最初は触ることさえやっとだったりする。
  • 季節の遊び
    水遊び、雪山遊び、公園遊びなど
公園

昼食
そしてお昼にはお弁当タイム。最初は親子一緒に食べますが、徐々にお母さんと離れる練習として、母は別室で他のお母さんと一緒にお弁当を食べます。
これもまた就園のための学習の一つで、始めのうちはちょっと私の姿が見えなくなるだけでギャン泣きして、大量の涙と汗で床を濡らしていたほどでしたが、だんだんお母さんはこっちの部屋にいる、ご飯が終わったら戻ってくるのルーティーンがわかってくると、泣かずに安心して先生に見守られながらお弁当を食べるようになりました。

キャラ弁


自由遊び、帰りの会
ご飯が終わった子から自由時間で、別室にいたお母さんも時間になったら合流します。終わったら皆でお片付けをして、帰りの会でさよならの歌を歌って終わりとなります。

言葉はいつ教えてくれるの?

言葉の教室

ここまで見てきて、あれ?って思う方もいるかもしれません。
遊んでるだけじゃない?言葉の教室なのに言葉の勉強は?と。

私はこの教室に通うことになった時、言葉の発音の仕方や会話の仕方を教えてくれたりするのかなと思っていたんです。何日経ってもそういう言葉を教えるようなレッスンはなく、ひたすら遊ぶという日々の繰り返しでした。一体これに何の意味があるのか、その時の私にはわかりませんでした。

ある日それがわかる出来事がありました。

気持ちを育てる

雪の足跡

冬、雪山遊びをすることになって、子供たちはスキーウエアと脚絆(きゃはんとは、長靴とウエアの裾を長靴に雪が入らないように覆うカバー)と長靴、手袋という慣れない装備で、学校のグラウンドの雪山目指して、積もった雪に苦戦しながら一歩一歩、歩いていきます。息子はなかなかうまく歩けずもたついてしまい、他の親子から大きく離れてしまったので、私が息子を抱き上げて歩こうとしたその時です。

先生
先生

「お母さん!手を出さないで!自分でやらせて!」

と、普段優しい先生が激しい口調で私に言ったのです。周りにいた親子たちも一瞬ハッとなるほどの声でした。私も当時は必死だったので、その言葉に思わず「そんな言い方しなくても…」と泣きそうになりました。

でも、別な日に先生が話してくれた内容を聞いて、その時叱られた事も、ひたすら遊んでいるように見えるこの流れについても、納得が行きました。その内容がこちらです。

「言葉はね、自分で何か表現したい!誰かに伝えたい!って思いから生まれるの。だから子供たちの表現したい、伝えたい気持ちを揺さぶるために、たくさん楽しい経験、ちょっと嫌な経験もいっぱいさせてあげるの。そうしたら言葉ってどんどん溢れ出してくるんだよ」

なるほど、まず大切なのは話したい気持ちを刺激することなんだなと、気づかされました。
いつもつい子供が何かもたついてたり、困っていたりすると、先回りして手伝ってしまいがちだけど、できない、イライラする」「なんか気持ち悪い」など嫌な経験もすべてひっくるめて、自分の気持ちを表現するための大事な種なんだなと、これまで言葉の教室でやってきたすべてが理解できたのです。

言葉の教室を利用してみた結果

学校

保育園就園の頃、その言葉の教室は卒業となり、次は個別対応の言葉の教室に通うことになりました。そこでは担当の先生が決まっていて、マンツーマンで一通り好きなように遊んだあと、机に向かって、簡単な字を書いたり、先生と言葉のやり取りをしていました。小学校入学前にはそこも卒業となり、数年に渡る言葉の教室のプログラムは完了となりました。

息子は言葉の教室を卒業した頃にはオウム返しは多かったものの、自分の言いたいことを一生懸命伝えてこようとしたり、はい、いいえや選択肢を与えて答えるような簡単な受け答えができるまでに成長しました。

私自身もそこで色んな先生やお母さんと出会い、たくさん情報をもらったり、子供たちとの遊び方や接し方もとても勉強になりました。この後利用するデイサービスも、そこで出会ったお母さんが教えてくれたのがきっかけでした。

親子

その後は学校に通わせながら、放課後デイサービスを使い、息子は先生や他のお子さんとのやり取りの経験を積みながら、言葉の数、会話のバリエーションをどんどん増やして行きました。今もまだ完全じゃないし、何を言っているのかわからないこともたくさんあるけれど、言葉でやりとりができるようになってから、息子とのコミュニケーションがより楽しくなりました。
言葉の教室に通うまでは、正直こんな日がくるとは全く思っていませんでした。

中には、言葉の教室に通ってもなかなか言葉が出ないお子さんもいます。その場合も先生達は一生懸命サポートして、今後のその子のためにどうすることが良いか、どんなサービスを利用できるか、お母さんに寄り添ってアドバイスしてくれます。

当時を振り返って、今思うこと

まだ言葉が一つも出ていなかったころ、当時一緒に遊んでいたママ友達が、
「家の子、ふなっしーのモノマネできるさ!」「家は滝川クリステルのおもてなしのマネできるよ!」なんて子供のプチ芸自慢していたのを、妬ましい気持ちで見ていたのを覚えています。

顔では笑って聞いていたけど、心の中では、「あ、そう。家はまだ、ママ、パパさえ話せてないけど?」って、心ではふてくされていました。そしてどんどん自分から距離を置いてしまいました。もしかしたら私と同じ思いで苦しんでいるお母さんもいるかもしれませんね。

孤立

うちのように自閉症であれば、悩みは言葉の遅れ以外にも色々あるかもしれません。参加しても無駄と始めから諦めていたり、市役所の手続きだの、毎週そういう集まりに参加するのが面倒と思われる方もいるかもしれません。でも思うような結果が得られなかったとしても、経験は決して無駄になりません。同じような障がいを持つお子さんや、そのお母さん達と触れ合うことで、孤立しかけていた心が救われた部分も大いにありました。

まとめ

バラ

「言葉」は表現したい気持ち、伝えたい気持ちをたくさん刺激することで生み出される言葉の教室は主にその手助けをしてくれる場所でした。もしお住いの地域で、同じような言葉の教室があるのなら、ぜひ利用することをお勧めします。眠っている言葉の芽が開花するかもしれません。

チャタロー
チャタロー

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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