こんにちは、チャタローです。
今日はちょっと昔の話になりますが、13年前、まだ息子が赤ちゃんだったころに経験した母乳ハラスメントについてお話いたします。
母乳ハラスメントとは?
母乳ハラスメントとは、赤ちゃんのいるお母さんに、周囲の人が執拗に「母乳で育てているのか、母乳がちゃんと出ているのか」聞いたり、もっとこうした方がいいと母乳について口出ししすぎることで、お母さんに心的ストレスを与えるハラスメントです。母乳=胸のイメージから、男性からその話をされた場合にセクハラ的に感じる方もいます。
私も母乳ハラスメントを受けた一人です。
母乳が出ないことを批判され、侮辱されました。
今回こんなブログをあげたのは、同じように母乳が出ないことで周りから心ない言葉をかけられているお母さんが居たら、「私もそうだったよ。一人じゃないよ。」って寄り添えたら…と思ったからです。
母乳が出ず、生後一か月からは完全ミルク育児
私はあまり母乳が出ませんでした。私の母もおばあちゃんも出なかったそうです。
遺伝もあるのかもしれません。さらに私が短乳頭だったこともあり、息子もうまく吸えずにいました。
母乳は基本的に赤ちゃんに吸われることでどんどん分泌されるので、吸われないとどんどん出なくなります。助産師さんにマッサージしてもらったり、自分でもマッサージしてみましたが、どんどん枯れて行きました。
最初の1か月くらい、搾乳して哺乳瓶に入れてなんとか与えていましたが、最終的には胸にアザがつくほど搾っても、一滴も出なくなりました。
私が受けた母乳ハラスメント
旦那の実家を訪れたある日のことでした。
旦那の両親はとても優しく良い方達なのですが、「健康」についてものすごくこだわりがあり、特に「食」に関するこだわりがすごいんです。そしてそのこだわりは時に、周りの人間に対して厳しく投げかけられる時もありました。そのほとんどは正論なのですが、時に行き過ぎていることもありました。
そして話は母乳に及び、こう言い放たれたのです。
「ミルクは外国から来たものだから飲ますな」
「牛から搾った乳は、牛の赤ちゃんが飲むものだから、人間の赤ちゃんが飲むべきではない。」
そもそも粉ミルクどころか、牛乳に対しても物申すご様子でした。
粉ミルクは昔は外国から来ていたのかもしれませんが、今では日本の各有名メーカーさんが色々研究を重ねて作っています。
それに、そんなこと言われても母乳の出ないチャタローはミルクしか飲ませられません。
もちろんその場で反論しました。
そしてその直後に義父から放たれた言葉に、私はピストルで胸を撃ち抜かれたと思うくらい、衝撃を受け、深く傷ついたのです。
「あんたが痛いからって嫌で、ちゃんと母乳あげてなくて出ないんじゃないのか?」
とてもショックでした。性格のことや立ち振る舞いについて文句を言われるなら、まだ治しようがあるし、我慢もします。でも自分の生まれつきの体質のことをわかってもらえず、女なら母乳出て当たりまえみたいな考え方、偏見…。そして追い打ちをかけるように、義母が、
「見ててあげるから、ここであげてごらん」
と言ってきたのです。男性陣もいるこの場で、母乳をやってみるように言われたのです。
義母は良かれと思って言ったんでしょうが…。義母は母乳がたくさん出た人なので、きっと出ない人のことはわからないんだと思います。義父もきっとそういう母乳が出て当たり前の環境しか見たことなかったのかもしれません。その場での母乳は拒否しました。
私はその日家に帰って旦那にむかってブチ切れてしまいました。
あんなこと言われるなら、もう二度と行きたくない!
もしまた言われたら、私は何するかわかんないよ!と半狂乱で訴えました。
それ以来私は義父のいる前で息子にミルクをあげるのが怖くなり、旦那の実家に行くのが恐怖でした。どうしても行くときにはミルクをあげる時間に当たらないようにしたり、息子がお腹が空く前に帰るようにしました。
母乳だけがすべてではない
もしかしたら、今このブログを読んでくださっている方で、同じ経験をしたことがある方、現在進行形でその経験に苦しんでいる方、もしくは実際お嫁さんや娘さんなどに母乳ハラスメントをしてしまった方もいるかもしれません。
ミルクは決して悪いものではありません。少なくとも、日本に初めて粉ミルクが来た時よりも随分質がよくなっているはずです。
母乳が出ない人だって、世の中にはたくさんいます。
母乳で育てたくても、努力してもどうにもならないこともあります。
母乳が出ているお母さんでも、事情があって母乳をあげられない人もいます。
ひどい貧血の人や、投薬を受けているために母乳をあげられない人、仕事が忙しく搾乳の時間もなく、ミルクに切り替えるお母さんだっています。
「母乳しか勝たん」は大間違いです。
母乳、ミルクそれぞれのメリット、デメリット
※私個人の見解です。
母乳のメリット、デメリット
これは母乳のお母さん達から聞いた話です。
赤ちゃんの歯が生え始めると、授乳時に噛まれて乳房を痛めたり、ひどい時は切れて血が出ることもあったそうです。
生後9か月くらいからは、母乳では赤ちゃんの成長に必要な鉄分などの栄養価が不足するため、フォローアップミルクに切り替える必要がありますが、なかなか乳離れさせるのが大変だったというお母さんもいました。胸に怖い絵を描いたり、わさびなど嫌なニオイのするものを塗ってみたり、乳離れまでの色んな試行錯誤の話を聞きました。
ミルクのメリット、デメリット
出かける時、私はいつも育児道具がパンパンに詰まった大きなバッグを肩にかけて、ベビーカーを押して、10キロ圏内の距離なら歩いて行動していました。車の免許を持っていないので、交通機関を利用するとしたらバスでしたが、ベビーカーと大荷物と赤ちゃんを抱っこして上手に乗り込む自信がなかったので、歩く方が気持ちが楽でした。
母乳もミルクも決めるのはお母さん
母乳にもミルクにもそれぞれにメリットもデメリットもあり、どちらで育てていくか決めるのは母親です。
母乳ハラスメントをしてしまいがちな人は、自らの育児経験を武勇伝のように語り、同じようにすることを相手に求めてしまいがちです。
時代背景やライフスタイルの変化で、育児のスタイルも様々です。
何か聞きたい事あったら聞いてねと言って、ちょうどよい距離で見守ってあげてください。
お母さんがストレスを抱えてしまっては、赤ちゃんにも良くありません。
ハラスメントほどじゃないけど、ちょっぴり傷ついたこと
変に気を使われて…
ママ友達数人とおでかけしている時のこと。
話は母乳の悩みあるあるみたいな話題になり、私は話の輪に入れなかったものの、別に仕方のないことなので特に気にせずみんなの話を聞いてました。
すると一人の友達が、急に察したようにこちらを見て、「あ、ごめん…」と謝ってきたのです。
数秒間なんだか気まずい空気になりました。
私に気を使ってくれた気持ちはもちろんありがたいです。でも、気を使わせて申し訳ない気持ちと、なんとなく疎外感を感じてしまい、複雑な思いでその時間を過ごしました。
純真な子供の一言が…
また別なある日はこんなことがありました。
ママ友と2人で赤ちゃん用休憩スペースで休んでいて、子供たちは授乳の時間に。
友達は母乳、私は哺乳瓶でミルクをあげていると、小さなお子さんが一人で入ってきて、「赤ちゃんかわいいね」とニコニコと赤ちゃんを覗き込んでいました。
すると急にその子が真顔になって私にこう言ったのです。
お母さんはどうして母乳をあげないの?
おばちゃんね、お乳出ないんだー。だからミルクであげてるんだよ
そっかー、でもおばちゃんもオッパイちゃんとついてるからきっと出るよ、頑張ってね、バイバイ。
そう言い放つと、その子は自分の家族の元へ走って帰っていきました。
ちょうど母乳問題には敏感な時期だったので、子供の言葉でもチクリと刺さるものがありました。
でも子供は純真無垢に思ったままのことをいうものなのだと自分に言い聞かせ、その子の言葉は純粋なエールとして受け取ることにしました。
終わりに
一時期、母乳ハラスメントにより、義父が苦手になっていましたが、あれから13年…。
義母は亡くなり、義父は今一人で暮らしています。年を取ったせいか、昔みたいに俺流の健康論を唱えることも減り、今は仲良くしています。
決してあの時受けた心の傷が完全に癒えたわけではないけど、過去を振り返って憎み続けることは自分にとってはマイナスしかなかったです。
心の中で義父に向かってこう叫んでいます。
ミルク一刀流の育児でも、息子は滅多に風邪も引かない丈夫な体に育ったよ!
今回は母乳ハラスメントについて取り上げましたが、他にも「赤ちゃんまだなの?ちょっと遅いね」「二人目は?」など孫を催促する、孫ハラスメントもあります。これも経験しました。
何気なく言った言葉が、相手には剣となって刺さることもあるので、母乳や妊娠だけに関わらず、相手を傷つける事を言っていないか、日々気を付けていきたいですね。
母乳ハラスメントで一人で傷ついている方へ
あなたは決して一人じゃないです。 同じような思いをしている同士は全国各地にいると思うので、一人で塞ぎこまず、愚痴の言える人がいればどんどん話して発散してください。 市の育児相談などがあれば、そこで愚痴をこぼすのも全然ありです。 育児相談はお子さん自身の悩み以外にも、そのお世話をする母親のメンタルケアも含まれています。 私以外にも、母乳ハラスメントの話をブログにしている方もいますので、色んな人の話を読むことで励まされることもあります。 母乳、ミルクの時期は長いようで、あっという間に過ぎ去ってしまいます。 母乳ハラスメントもその時期を超えればフェードアウトしていきます。 あっという間に過ぎる、愛おしい赤ちゃんとの時間を、嫌な時間で支配されてはもったいないです。 雑音に負けず、貴重な時間を楽しんでください。
旦那さんは、もし奥さんが母乳ハラスメントを受けていたら、面倒と思わずどうか間に入ってあげてください。一番助け舟を出せるのは、一番側で奥さんを見てきた旦那さんです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました♪