高齢者一人で決めたリースバック、その契約本当に大丈夫?

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契約書
このブログで紹介している内容
  • リースバックとは?リースバックの注意点
  • 高齢の父が一人でリースバック契約をしてしまった話
チャタロー
チャタロー

こんにちは、チャタローです。
最近よく耳にするリースバック、皆さんはご存じですか?

今日は実際一人暮らしの父が契約したリースバックの話を元にお話ししていきます。

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リースバックとは

家とお金

リースバックとは自分の所有する家やマンションを不動産業者などに売却すると同時に賃貸契約をすることで、売却後も家賃を支払って住み続けられる仕組みのことを言います。

後継ぎが居なくて生きているうちに自分で家を処分したい、家を残すことで残された家族に迷惑をかけたくない、でも住み慣れた家を引っ越すのはちょっと…という人に注目されている仕組みです。
終活のひとつとしてリースバックをする高齢者は増えてきているようです。

遺産争い

そのリースバック契約本当に大丈夫?

考えるおじさん

一見この仕組みだけを聞けば、いい仕組みだなあーと感じてしまうのですが、まず売却するということは、その家が査定されることになります。そして賃貸契約をするということは、当然のことながら毎月家賃がかかるわけです。

契約してしまうと簡単には後に引けなくなるので、契約前に必ず次の点を確認しましょう。

➀家の所在地、この先の所在地の発展具合、家の居住年数や状態に見合った査定額であるかどうか?
➁家賃は支払っていける金額かどうか、賃貸契約はどのようになっているのか?契約年数の縛り、途中解約での違約金の確認

チャタロー
チャタロー

正直高齢者がこれをすべて自分一人で調べて比較検討してというのは、健康な高齢者であっても難しいでしょう。できることなら家族や親戚に相談しながら、後悔しないような契約をするのがベストです。

さらに注意すべき点がこちら↓

リースバックで家を売却する場合、通常の家売却のみよりも買取金額が安くなることが多い。賃貸料金も相場より高めに設定されがち

チャタロー
チャタロー

何百万円単位で差が出るので、それならば売却だけして、別な安い賃貸物件に住んだ方がお得だったりします。まあ高い家賃払ってでも思い入れのある家から離れたくないという場合は仕方ないですが…。

難しい話は苦手、比較検討も面倒、全部人に丸投げしたいタイプの人なら、ある程度の金額を提示されれば深く考えず、相手の言われるままに簡単に契約してしまうでしょう。

もし自分の親がリースバック契約しようとしていて「一人で大丈夫だから」「自分の家なんだから勝手でしょ」と言われても、積極的に関わってあげた方が安心です。

頑固なおじさん

➀家の所在地、この先の所在地の発展具合、家の居住年数や状態に見合った査定額であるかどうか?

不動産関係の話が得意という人はそう多くないと思います。
土地の相場とか、家の売却の相場とか、不動産屋や建設屋などその道のプロとして仕事している人ではないとなかなかわからないでしょう。

でも素人目にも、例えば今住んでいる場所の交通の便や、買い物の便はわかると思います。
他にも保育園や学校、大きな公園が近ければファミリーには人気になりますね。
ニュースなどよく見ている人なら、土地の周りの開発事情も多少はわかるはずです。

街並み

例えば今住んでいる場所から電車1本で行けるところに巨大な工場ができる予定があるとします。
そうするとそこで働く人が何千、何万人とその工場で働くために移住してきます。
栄えるのは工場のある地域だけではありません。そこに通勤するのに便利な地域も同時に栄えるわけです。

つまり現状の状態だけでの査定だけでなく、未来も踏まえての査定額になっているかというのも考えるべきです。
その査定額の相場を見るのには、複数の業者に相談して見積してもらうのがベストですが、高齢者の場合はそれを面倒くさがって一発OKしてしまうようなこともあるので、悪質な業者に当たってしまった場合は何百万円単位のとんでもない損をするような危険性もあるのです。

チャタロー
チャタロー

例えば土地の場所はとても便利でも、家自体が経年劣化がひどい場合には、安い額を提示されても「まあそんなものなのかあ…」と妥協してしまうこともあるでしょう。

でも土地の場所がすぐ売れるような好条件の場所なら、簡単に妥協してしまうのはちょっと待ったです!

➁家賃は支払っていける金額かどうか、賃貸契約はどのようになっているのか?契約年数の縛りはあるのか、途中解約での違約金の確認

札束

家を売れば数百万、数千万という大きなお金は入るので、賃貸契約の月々の料金が多少高くても、「大丈夫!支払っていける」と過信してしまいがちですが、長い年月住むことを考えてみるとどうでしょう?

例えば…

リースバックで家売却、1000万円で売れた
月々家賃10万円→年間の家賃120万円

1000万÷120万=8年と4か月程度で売れたお金は無くなる

更年期障害の女性

もちろん家賃以外に、光熱費、食費、医療費、電話代、生命保険料などもろもろかかるわけで、無職、貯金なしの年金生活であれば後々苦しくなっていくでしょう。

またリースバックでは契約年数縛りをしている場合が多く、最低2年や3年は住む、途中解約の場合は違約金発生という契約が多いです。

中途解約した場合の違約金が結構高い!

違約金

一度契約が成立してしまった後に解約することなった場合、違約金が発生する場合がほとんどです。
その金額が数百万単位になる可能性があるので、家を売らないことになって違約金のみ残るなんていう最悪のケースも考えられます。そんな額払えないので、そのまま泣き寝入りして売却をしたという人もいるようです。

悪質な業者には注意

悪徳営業マン

中にはとにかく契約を取ろうと、細かい確認などせずどんどん手続きを進めてしまう業者もいます。

不動産や土地の値段にあまり詳しくない人、とにかくお金に困っている人、あまり難しい話にはついていけないお年寄りなどに、相場より安い金額を提案して、相手がきちんと理解しているのかも確認せずに契約書にハンコを押させてしまうことも…。

高齢者の場合、考えておいてくださいねーと時間を与えてしまうと、そのまま忘れられたり、息子や娘に相談されてしまえば契約してもらえない可能性もあるので、できるだけ即契約を狙いたいのでしょう。

契約成立

さらに賃貸契約は長く住むには辛い高額な家賃に設定され、できるだけ早く出て行ってもらって、その物件をリフォームしてさらに高値で他に売りたいという魂胆も見え見え…。

その他にも契約の事務手数料だけで数十万かかるなど、何とかしてお金を払わせようとする業者もいるので、そうゆう話に詳しくない人ほど面倒でも数社から見積をとって比較検討することが重要となります。

見積

業者の名前自体は有名で、有名人がCMキャラクターになっているような業者で、本店はしっかりしていても、支店や代理店など末端ではノルマ重視で悪質な契約を取っているというケースもあります。有名だから大丈夫という考えも危険です。

チャタロー
チャタロー

本当にリースバックで良いのか、それとも家を売って安い家賃のところに引っ越すのか、しっかり考えてから契約する必要があります。この判断を高齢者が一人でするとしたらとても危険ではないでしょうか。

実話「父、家を売る」

義父76歳、独り暮らし

これは実際にあった最近のお話です。

旦那のお父さん(以降義父、お父さんと呼びます)は、国家公務員で定年までしっかり勤めあげ、退職後は退職金と年金暮らしの76歳。子供は男の子3人、3人ともそれぞれ結婚して実家を離れて家庭を持っている。孫も5人出来て、お盆や年始にはよく皆でワイワイ集まっていた。

8年ほど前に義母に先立たれ、それ以降3LDKのマンションで一人暮らし。
今は運動がてらにと月々3万円程度のご近所の新聞配達をして、ボーッとしないようにアクティブに過ごしているようだった。

マンションは賃貸ではなく、購入してローンもすべて終わっている。なので月々マンションにかかる支払は管理費や修繕積立費合わせて3万円いかない程度。

義父は食や健康にこだわりがあり、無農薬の野菜や健康食品などよく定期購入でとっていた。でも一人では消費できず、よく余ったものをいただいていた。食生活にはこだわっているけど、お酒が大好きで、お酒は毎日飲んでいる。

また欲しいと思ったものは、あまり金額にこだわらずポンと購入していたり、時々息子たち家族を集めては皆をレストランに連れて行ってご馳走してくれたりしていた。

だから何も心配していなかった。

変わりゆく義父

しかし昨年くらいからでしょうか。いつも会いに行くとご飯をご馳走してくれていた義父が、「ちょっと今月厳しいからご馳走してほしい」と言ってきた。また別な時に会った時にも「年金入ったら返すから食事代を立て替えてほしい」など言われた。

旦那の兄弟のお嫁さんからも「皆で食事に行って義父が会計しに行ったらカードが使用できなくなっていた」とか「半分出してほしいと言われた」など、心配な話を聞くようになっていた。

あんなに裕福そうだった義父がなぜ…。国家公務員の年金、退職金は一般のサラリーマンに比べ高額な方と聞いている。現役時代は経理を預かっていた義父だったので、お金の管理も何の心配もしていなかった。

失礼は承知で旦那がお父さんの経済状況を問い詰めるも、支払いの滞納もないし、詐欺にあったわけでもない、何でかお金が無くなるんだよねーと軽くかわされてしまった。最近は特に大きな買い物をしている様子もないし、お酒は家で飲むけど、食生活はかなり質素な方なので、それで散財するのは考えにくかった

気づけば頑なに辞めなかった、野菜や健康食品の定期便も解約していたようだ。
やはり何かあったのでは…。私たちも兄弟夫婦も色々心配をしている矢先のことだった。

「家、売ることにした」と突然の連絡

ある日、旦那の兄から「父さんが家売るらしい、売って賃貸として住み続けるらしい」という情報が舞い込んだ。
売却金額は800万、賃貸の月々の家賃は10万、しかも今時あまり聞かない礼金も20万近くかかると。
まだ契約する前で、これから必要な書類を役所で取る予定とのことだった。

やはり義父は相当お金に困っているんだというのが確信に変わった。
兄夫婦が義父に家を売る事情を聞くと「あまり残したくないから…」と終活っぽい説明をしたらしいが…。

しかも義父の住んでいる場所は複合商業施設のすぐ近くで、病院もたくさんあるし、交通の便もいい。
現在副都心化がどんどん進んでいて、まだまだ発展の余地がある場所。
いくら家の築年数が30年近くで経年劣化が進んでいると言ってもちょっと安い金額。

悪い業者に騙されているんじゃないか?という疑惑もあり、兄が「自分が一緒に立ち会うから、書類がそろっても勝手に契約はしないで」と義父と約束した。

実は親戚に借金、支払い滞納もあった

菊

そんな話でザワザワしている矢先、義父の弟さんが突然亡くなり、親戚一同通夜で集まる機会があった。
義父の弟さんは未婚で一人暮らしだったため、妹夫婦が弟の遺体を引き取って自宅での通夜となった。

もちろん義父もそこに来ていて、帰りは私たちが送っていくことになり、妹さんは私に義父が持って帰る香典返しなどを託した。きっと義父が酔っていて心配なのだろうなと、その時は特に考えなかった。

私たちが義父と帰ったあと、しばらくして来た旦那の兄に、義父の妹さんはこうもらしたと言う。
「兄(義父)は長男なのにこっちに任せっきりで何もしてくれない。それに私にお金を借りに来たこともある。しかも電車に持たせたもの忘れたり、待ち合わせの時間にも何度も来なかったりして、ひょっとして認知症になりかけているかも。一度病院に連れて行った方がいい。家を売る話も絶対一人で進めさせてはダメだよ」と。

ちなみに100歳になる義父の母も寝たきりで、妹さんの家の近くの病院に入院していて、妹さんが面倒を見ている状態。妹さんの不満が爆発するのも無理はない。義父の息子たち、嫁一同、ここまでの事態に気づかずにいたことにショックを受けた。

督促状

その後、改めて兄夫婦がお父さんとしっかり話合う時間を作って、洗いざらい話合ったところ、もう退職金はなく、貯金もなく、月々かかる費用など滞納しながら、妹さんからお金を借りたり、年金受給のたびに督促状で支払っていたことが明らかになった。なぜそんな状態に陥ったのかはまだわからないが、危機的な状態であることはわかった。

私たち息子夫婦は皆自分たちの暮らしを立てるのが精いっぱいの状態で、義父を助けるほどの余裕もない。
家を売ることを止める権利など誰にもなかった。

でももし義父に本当に認知症の疑いがあるのなら、家の契約についてもちゃんと話をしているか怪しくなってきたので、兄夫婦が直接業者と話すことになった。

もうすでに契約済みだった

そして衝撃の事実がわかった。

兄からの連絡によると、なんとすでに義父は業者との契約にサインをしてしまっていたのだ。
業者から義父の直筆のサインが書いた契約書のコピーを見せられたそうだ。

その日付から見て、兄が義父に契約前に自分に連絡してと話した時にはすでに契約していたことになる。

契約

契約はしていないと言っていたけど、それを見た義父はそういえば契約した、と思い出したようだ。

売却予定日はもう1週間ないくらい…。このままいけば安値でマンションは売却され、義父が毎月支払えるかどうかもわからない10万円近くの家賃を払い始めることになる。

まだ売却はしていなくても、契約としては成立しているので、解約するには違約金がかかる。
その額180万円

数年は何とかなっても、その先が不安すぎる。

契約を解除することに

あまりに時間がなさすぎるし、見積額にも納得がいかない。契約時のことにもいささか不信感があったため、皆で話し合って、義父にも了承を得て、その業者との契約は違約金を払ってでも白紙に戻すことにした。

契約解除

誰も義父と業者がどんな話合いをしたのか知らないし、了承もしていない。義父がもし本当に認知症になり始めているならなおさら心配だ。契約の時の立会い人のサインを近所の人にしてもらっているなど、不安な点が多い。そして何よりその見積額が妥当なのかどうか、他の業者と比較する必要もあった。

義父は売却後もそのまま住みたいと強く希望していたが、リースバックを利用した場合の月々の家賃を払い続けることを考えると、もっと安い賃貸物件に引っ越してもらうのがいいということで、なんとか引っ越しに了承してもらった。

他の業者で見積りしてみると…

説明

そしてすぐに、兄嫁が知り合いのいる不動産業者に今回の一連の内容を相談し見積りをお願いしてくれた。
見積額は1130万円。リースバックではなく売却のみで相談しているのもあって額が上がったのもあるかもしれないが、それにしても前の業者の800万円はやはり安い。

1130万円で売却して、前の業者へ違約金の180万円を支払って、その他必要な経費を支払っても950万円近くは残る計算となり、これで進めることとなった。

私たちの反省点

話合い

私たちは義父に対して、真面目でしっかり者だから大丈夫という信頼感がありました。それは他の兄弟夫婦も同じでそんなに心配しなくともお父さんは一人でもやっていけていると思っていたのです。

そして昨年から急にお金がない様子が見受けられた時も、義父に大丈夫?と確認はしたけれど、ただ心配しているだけで、それ以上の行動は何も起こしていませんでした。

皆自分たちの家のことで精一杯で、義父の事は気になりつつも、ちゃんと向き合ってあげていなかった。
義父も私たちがそんな状態なのをわかっているから、子供に迷惑かけられない、一人で何とかしようと思ってしまったのかもしれない。

認知症の件に関しては、今後も安心して一人暮らしができるか確認して、私たちが安心したいためにという名目で近々病院に一緒に行くことで了承してくれました。

本人がどんなに元気で大丈夫と言ったとしても、これからは積極的に関わってあげないといけないんだと思いました。

親戚の集まり

高齢の親の契約関係には必ず立ち会って

今回このブログをあげた一番の目的は、高齢の親のいる方が同じような事になってほしくないためです。

最近親と会ってないなあという方はぜひ時間を作ってちょっと会いに行ってみたり、行けない時は電話してみたり、親御さんの近況をしっかり把握してください。

特に高齢で一人暮らしをしている親御さんがいる方は、親御さんに大事な決断や契約は必ず自分や他の家族に相談するよう、しつこいくらいに言ってください。

一度契約したものを解約するのには多額な費用がかかってしまう場合があります。
今回のリースバックのように高額のものは特に注意です。

押し売り

私は過去に某電話会社のコールセンターに勤めていましたが、そこでは高齢の親がいる息子さん娘さんから
「高齢の一人暮らしの親がお宅の電話サービスに申し込みさせられた、どうしてくれるんだ」とか「申し込み覚えないのに請求書がきている」とクレームの電話がたくさんありました。

調べてみると、確かに契約した書類はあるものの、中には印鑑が拇印で押されていたり、半ば強引に話を進められてしまったのかなと思われるものもたくさんありました。

聞きにくいことも思い切って聞いておくべし

老後のこと

親が寝たきりになったり、亡くなった後の話、とても切り出しにくいことかもしれませんが、大事なことです。
例えば入院してしまった時に保険の契約があるかどうかわからないと保険金も受け取れず、入院費の支払が滞ることも考えられます。通帳がどこにあるのか、今どんな暮らしでどんな支払いが必要なのか、借金はあるのか、お葬式やお墓はどうしたいかなども聞いておかないとわかりません。

場合によってはそれが親だけの問題ではなく、自分にも影響することもあるので、日ごろからしっかり状況を把握して、何か問題を抱えている場合には早めに解決できるよう一緒に考えてあげましょう。それが親の暮らしも自分の暮らしも守ることに繋がります。

まとめ

リースバックとは…家を売却したあとも、賃貸で月々の家賃を支払って住み続けることができるので、
引っ越さずに慣れた場所で暮らし続けることができる
仕組み

リースバック、家の売却時の注意点
  • リースバックの場合、家の売却だけより売却金額が割安になる可能性が高く、賃貸料金も相場より高め
  • 業者によっては賃貸契約は2年、3年縛りの契約になる
  • 解約の場合、違約金が何百万もかかることがあるため、契約前にしっかり考える必要あり。
  • 何社か見積をとって比較検討しておくのがおススメ。悪質な業者はわざとに安い見積を提示したり、高い契約手数料をとる場合も。
  • 高齢者一人での契約は危険。必ず家族などに間に入ってもらって、一緒に話を聞いてもらうこと
家を売る人買う人
チャタロー
チャタロー

いかがでしたか?
どうか最近親と会っていない方、高齢の親だけで暮らしているような場合には、
重要な契約、特に家のことについては自分だけで判断しないように、強引に契約させられそうになったら、子供と相談したいのでと保留してもらうように常日頃言ってくださいね。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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